
仏事の知識


寿陵とは?生前にお墓を建てていい?
寿陵(じゅりょう)とは、生前に立てるお墓のことです。陵(みささぎ)の字は皇帝のお墓のことです。「寿」の字が付いていることからも分かる通り、昔から縁起の良いものとされています。
生前墓、逆修墓(ぎゃくしゅうぼ)とも言います。
逆修(ぎゃくしゅう)とは仏教用語で「生前、自分のために仏事をいとなみ、冥福を祈ること」で、功徳を積むことで「家に幸せをもたらし、長寿が約束される」とも言われます。この仏事とは、具体的には塔を建てる、お墓を建立する、位牌をつくる、法要を行うといった事です。寿陵は中国で始まり、日本でも聖徳太子が建てたと伝えられています。
「終活」の一環として、自分自身のお墓を求める方も多いです。都内では生前申し込みが7割を超える霊園もあるとの報道もあります。2020年に実施の『お墓の準備に関する全国調査』では「故人が生前、自分のために新規でお墓を購入していた」方が全体の20.6%に上ります。
残された家族に金銭的な負担を掛けないように、あるいは残された家族を悩ませないようにと考えたり、終の棲家である自分のお墓は自分で決めたいと考えて、生前にお墓を買うことを前向きでとらえている人が多いようです。
お墓をいつ建てるべきかについては、仏教の教義の上でも特に決まりがありません。生前に自分の納得のいく「寿陵墓」を建てることも選択肢の一つでしょう。