金仏壇
金仏壇とは
桧・松・杉・朴などの白木を素地として、漆を塗り、金箔や金粉で装飾を施したお仏壇です。
室町時代に浄土真宗の中興の祖である蓮如上人が、各地の信徒に「南無阿弥陀仏」と書いた紙を授け、
それを祀る場所として設けたのが一般家庭のおける仏壇の源流の一つです。
その際に各宗派の本山寺院を参考にしたことで、漆と金箔を使った金仏壇の形式が生まれました。
この金の輝きは極楽浄土を表しており、浄土真宗では金仏壇が正式とされるのはこれに由来します。
金仏壇のサイズ表記
金仏壇の多くは「代(だい)」という単位で大きさを表します。これは仏壇の内法寸法をさします。
もともと「代」は、お仏壇の中に掛ける掛軸の大きさを表す単位です。浄土真宗では本山寺院より戴いた掛軸をお仏壇に祀りますが、その大きさが30代、50代、70代、100代、150代、200代となっています。その掛軸を3幅掛けるだけの内法があるという意味で、例えば50代のお仏壇であれば、「50代の掛軸が3幅掛かるだけの内法がある仏壇」ということになります。
ちなみに50代のお仏壇の内法は1尺6寸(約48㎝)で、代数が大きくなるに連れてお仏壇も大きくなって行きます。
あくまで内法ですので、同じ50代でも高さや外巾、奥行きは異なります。
なお、当社のカタログ等では、仏間に合わせたお仏壇を下記のようにご案内しています。
型 | 仏間サイズ |
---|---|
50代 | 3尺間 |
70代 | 3~4尺間 |
100代 | 4~5尺間 |
150代 | 5~6尺間 |
200代 | 6尺間 |
金仏壇の種類と特徴
新潟白根仏壇
新潟県新潟市で製作されてきたお仏壇を「新潟・白根仏壇」と言います。(新潟・白根仏壇の歴史については、製作工程をご覧ください)その新潟・白根仏壇は多くの技巧を取り入れ、発展してきました。大まかな特徴は下記の通りです。
- ●冠(かんむり)と呼ばれる屋根が上に反っている。
- ●台輪(だいわ)が三段になっている。
- ●弓形欄間(ゆみがたらんま)が多い。
- ●尾垂木(おだるぎ)が沢山出ている。
- ●金具を多用している。
- ●彫刻を多用している。
- ●真宗以外は朱柱を使用。(北陸・新潟県のみ)
京型仏壇
京型仏壇とは、もともと京都で製作されていた金仏壇の形式の一つです。京都で製作されている伝統的工芸品は「京仏壇」といい、京型仏壇とは異なります。実際に、鹿児島県の川辺地方や広島など各地で製作されており、京都で製作されるものはほとんどありません。全国的に販売されているお仏壇の形式です。京型仏壇の特徴は下記の通りです。
- ●(白根仏壇に比べて)四角っぽい形。
- ●台輪は一重か二重。
- ●金具は最小限度しか使用せず、表側には使用しない。
「金仏壇」のお手入れ
水気を避け、毛バタキで埃を取る掃除をお勧めします。
金仏壇の金の部分は強く拭いたり、こするようなお掃除をしない限り取れません。黒塗りの部分も同じで、強くこすると艶が無くなり逆に古く見えてしまいます。優しく毛バタキで取ってあげてください。彫刻部分の埃は、毛バタキの先をクルクル回し近づけると風で埃が飛びます。
お手入れが大変そうに思える金仏壇ですが、やさしくお掃除をしていただくと末永くお祀りしていただけます。