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吉運堂

凧も箔押しも風向き次第

 今年も白根では大凧合戦が開催されました。天気は良かったのですが、前半は風向きに恵まれず、後半でようやく合戦に至りました。私は箔押し職人をしていますが、この仕事も風との勝負です。

 金箔の大きさは約11cmの正方形です。大きな部品にはそのまま使いますが、大抵はカッターで切って使います。サンドイッチのように上下を和紙で挟まれた金箔を一度に10枚ずつ切る為、失敗するとズレたり、ちぎれたりして使い物にならなくなります。失敗しないようにと緊張して手に汗をかくと、金箔がくっついてしまい更にぐちゃぐちゃになるので、初心者は難儀します。

 切った金箔は竹箸でつかんで部品に貼り付けるのですが、薄くて軽い為すぐに飛んで行きます。これからの季節はエアコンの風との闘いです。闘いに負けそうな時は、エアコンを消して閉め切った部屋で暑さと闘いながら作業をします。

 障子骨の箔押しは気が遠くなるように見えますが、とても良い反復練習になるので私は好きです。